いしずえ

第六 近代国家体制(一 近代国家 民主国家-大衆時代-主権在民)

 19世紀の中葉から20世紀の初頭にかけて、普通平等選挙権が漸次実現され、それに対応して国家権力活動も、第三階級たる産業ブルジョアを中心とする支配階級ばかりでなく、すべての人間の人格の維持発展のために必要とされるすべての社会の活動領域に拡大されるに至ったのである。

 この段階は、一見して立憲君主国家となんら区別のできないものの如く見えるが、表面的な形態変化の緩慢さに比して内面的変革の著しさは、専制国家から立憲国家に移るそれよりも激しいものがある。

 即ち、君主と議会の妥協と均衡の二元的対立関係を、一元的議会中心政治に変革させ、君主の議会の議決に対する裁可権や拒否権は単なる形式的存在たらしめ、大権事項と立法事項の対立は、同様に立法事項を原則化して大権事項の価値を弱め、君主の大臣任免権も殆んど議会の信任に委ねられることになり、君主は最早単なる儀礼的・形式的存在と化する事になった。

 これと同じく議会の方も、貴族階級からなる上院よりも、一般の市民階級によって形成される下院の方が遙かに優勢となり、上院は次第にその存在価値を失って廃止されることになりつつある。

 この社会的推移と変革の基礎は、もとより自由主義と資本主義の進展に伴う社会的、経済的、生活的変化による。

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  1. 2012/11/01(木) 08:41:17|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(一 近代国家 民主国家-大衆時代-主権在民)【続】

 資本主義というものは、目的に対して手段が完全に独立し、しかも、それが優越的に立場に立つところに特色がある。

 即ち、資本主義の本質は欲求に対して、可能性が独自的優越の地位を占め、人々の努力の対象は目的の充足よりも先ず充足の条件たる可能の獲得に注がれる。

 この獲得のための獲得が、資本主義の特徴である。

 この在り方が、近世個人主義および世界主義と結びつき、外的条件たる経済行為の拡大と、内的条件である産業技術の利用によって、近世資本主義をつくりあげた。

 そしてあくまでも自由競争、自由放任であり、生存競争の原理に立っている。

 また、支配・被支配の関係は、従来の伝統や教義や権力でなく、むしろそれから解放された立場において、富の分配を基礎とする貧富の対立と、懸隔の関係において見られる。

 また、一切の結合関係は市場を通じて行なわれ、その活動原理は営利主義、競争主義、合理主義であり、あくまでも私有制、富の蓄積、利益追求である。

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  1. 2012/11/02(金) 15:36:26|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(一 近代国家 民主国家-大衆時代-主権在民)【続】

 資本主義はすべてのものを資本の増殖に集中し、人間的要素よりも資本を重視し、すべてが資本の背景によってのみ可能となる徹底した唯物主義、金権万能主義である。

 故に資本主義は経済ばかりでなく、政治、宗教、教育、文化、言論、軍事、道徳、芸術、制度機構の全域におよぶことになる。

 かくて資本主義は適者生存、弱肉強食、優勝劣敗の原則と結びつき、ブルジョア専制主義を強行し、自由と平等を独占的支配階級のものとして、支配的地位につくのである。

 これがまた一方のマルクス主義を刺激し、労働階級を団結させて、階級斗争を激化せしめるのである。

 そして資本主義は多くのものをつくり、問題をおこし、人間生活を根本的に変化させた。

 やがてこの資本主義は2つの大きな社会的、文化的、歴史的意義をもたらした。

 その1つは、権威と伝統の君主を無力化して抹殺したこと、もう1つは大衆を解放して政治の担い手たらしめたことの2つである。

 民主国家における君主の存在は甚だ不振である。

 その地位は全く議会に奪われ、その立場と価値を失っている。

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  1. 2012/11/04(日) 09:12:03|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(一 近代国家 民主国家-大衆時代-主権在民)【続】

 資本主義と自由主義の発展は、ルネッサンスおよび近代啓蒙思想の掲げた主権の不可分性と個人の自由権の確立、即ち、他人による人格の支配の排除と、自己支配の理念を忠実に実現し、且つ、護って大衆時代を切り開いた。

 選挙による平等な参政権によって大衆が直接政治の舞台に現われ、議会を大衆のものとしつつある。

 議会は国民大衆の基礎の上に存在するという一元的な議会専制主義を成り立てた。

 立憲国家時代には君主と議会、行政と立法、上院と下院の二元的な対立関係にあったが、今や国民大衆がこれに代り、大衆専制、議会専制の時代となりつつある。

 議会政治という形態はそのまま存続し、むしろ却って教化せられたかの如くであるが、立憲国家の議会政治の前提条件である権力分立による議会の独立と、君主による立法権の侵害防止の意義はここに全く失われた。

 抑々議会の存在意義は権力の分立による専制化の防止にあった筈である。

 然るに君主の権限が縮小され、弱体化され、あるいは抹殺せられた今日、君主に代って大衆自体が議会を占領し、権力の分立を否定してその独占的地位につくという矛盾を暴露している。

 治者も、被治者も同一の大衆であるという統治と自治の混同を生んだ。

 民主国家は議会を中心に政治を営んでいるが、既にこのような根本の矛盾を孕んでいるのである。

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  1. 2012/11/05(月) 10:43:08|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(一 近代国家 民主国家-大衆時代-主権在民)【続】

 議会中心主義―議会専制主義の基礎は大衆の参政権であり、参政権の拡大と進展は統治と自治を混同させ、議会政治の社会的存在価値および本質的分限を不明ならしめ、議会政治の不信と危機を醸しつつある。

 議会政治の変化に伴って、大部分の大衆は複雑精緻な政治状況の中にあっていよいよ非政治化し、権力の分立は議会優先による立法支配に身を委ね、唯一の政治的行為の制度的表現である参政権を自己欲求の犠牲にとどめ、万人専制の衆愚政治に妥協し、しかもそのゆえに政治的貧困をきたしていることを顧みず、反対にその不満の根本原因を政治権力そのものに転嫁しているのである。

 このような議会政治への不信をそのまま利用して、議会政治および三権の分立を否定して、専制的に集中的権力を成り立てようとするのが全体主義もしくは人民民主主義の名で存在している共産主義の党治政治である。

 従って、現代国家にとっての根本的課題は、非政治化し、ますます分散的に無力化しつつある大衆を如何に組織化し、個人と階級と民族共同体を分離せしめず、権力の分立を確保しつつ、統一的民族国家共同体を完成するか、また代議制が形式化したことによって喪失しつつある統治と自治の分限と作用を、如何に機構的に実現するかにかかっている。

 国民大衆の政治的放浪性、分散性は統治と自治を混同し、統治自治の混同は混乱を生じ政党政治を荒廃せしめることになる。

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  1. 2012/11/06(火) 20:11:59|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(二 近代国家の欠陥)

 近代文化の進展に伴って怒濤の如く押し寄せ、政治舞台に登場してきた尨大な無組織の大衆は、自由競争と自由放任主義の中で原子論的個人主義と抽象的世界主義を身につけ、万人の機械化および平均化を基礎として、漸次歴史伝統、民族的独立性、その他権威や道義や習俗を捨てて民主主義にとびつき、再び模倣に身を委ねようとしているが、それは危険この上もないことであるのみならず、民族国家にとっても一つの危険であることを意味するものである。

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  1. 2012/11/07(水) 09:34:00|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(二 近代国家の欠陥)【続】

 そして、この近代主義も今日に至って、はっきりと一つの行詰りを見せてきた。

 それは近代文化の中に人間性に反する側面、即ち、権威や調和や総合や協同などの原理を否定するものが含まれており、一方的に解放、反抗、批判、分析、破壊の原理に傾く性格があるからである。

 近代主義はさきにも述べた通り、一方において原子論的個人主義に立ち、他方において普遍的世界主義を立てている。

 この二つは内面的には関連しているものであり、且つこれを結びつけているのが、近代文化の特質である分析的、因果法則的な合理主義、実証主義、機械主義である。

 近代主義における個人主義、自由主義、唯物主義、合理主義、実証主義等の原理は、すべて原子主義の表現であるが、この原理の基礎はいうまでもなく自然科学の分析主義から出たものであり、尠なくとも同類である。

 自然科学における分析主義は、必然に普遍妥当性の形式をとり、精神科学的には抽象的世界主義をつくりあげる。

 近代主義の特質は自然科学的分析主義と普遍抽象性とをもって、精神科学たる領域を浸して原理論的個人主義と抽象的世界主義を成り立てたところに見られる。

 約言すれば物理的見地から心理や精神を規定し、人間を取り扱うに物質的方法をもって決定づけようとしたところにある。

 そこにはもはや伝統もなければ具体的固有性もなく、歴史もなければ独自性もないという人間機械、類型的な大衆、換言すれば無礼、不遜、階序のない人間獣が利害を求めて相寄っているということになる。

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  1. 2012/11/08(木) 13:28:36|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(二 近代国家の欠陥)【続】

 このような無組織の類型的唯物主義の大衆を相手にして、しかも反抗と分裂と否定と独善しかない利己主義の社会に秩序を立ててゆくには、どうしても新しい政治行政の強力な機構と技術が必要となってくる。

 また尨大なこの無組織の大衆が参政権をもって政治に参加する限り、なんらかの形で権力の集中統合化と大衆教化を図らねばならない。

 このような段階において、主体的な目的意思や具体的環境や歴史や統治方法が、全く異なるアメリカ的性格の溢れる現憲法をもってして秩序づけようとすることは、困難であるというよりも逆に弛暖、頽廃、崩壊を体験させることになる。

 勿論天皇の名によるドイツ的官治主義の軍閥官僚の独裁政治である明治憲法復元論は、なんら根拠のあるものでなく、それは復古主義的センチメンタリズムの感情論であって、殆んど取るに足りないものである。

 ドイツやアメリカを排撃するわけではないが、いまや模倣から創造を経て、独自的芸術作品に価する憲法典を生んでもよい時ではあるまいかと思う。

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  1. 2012/11/09(金) 18:12:16|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(二 近代国家の欠陥)【続】

 日本が近代主義の行詰りと欠陥を克服して新しき文化を興し、新政治組織を確立するには、東西文化を正しく摂取し、その枠を集めて新生面を切り開かねばならない。

 政治的には統治と自治を明確ならしめてデモクラシーに場を与え、さらに一歩進めて完成に近づかねばならないと思う。

 デモクラシーの成否は、人民の権力をいかに行使するかにかかっているのであるから、人民大衆の自治力を原則として統治を成り立て、すべての所属者に創造と統一を与えるものでなければならない。

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  1. 2012/11/10(土) 13:07:27|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(二 近代国家の欠陥)【続】

 統治と自治は本来その作用が全然異なるものであって混同すべきものではないが、事実は屢々混同されてきている。

 古来よりアジアは治者国家として統治を中心とする専制主義政治形態をとってきた。

 専制主義は周知の通り統治者のための統治であって、被治者大衆に関係がない。

 従って包括的あるいは比喩的に、国家の全権力が、一人制、一階級また一政党に集中され、これら支配者から何等の拘束をも受けることなく、自らの意思を貫徹しつつ、自由に国家権力を運用する政治体制である。

 統治が統治のための統治であって、自治と関係なく一方的に行過ぎると、独善的専制に流れる。

 これに対し西欧はギリシャ、ローマの昔から自治を中心に政治を執ってきた。

 これが人民の権力行使といわれるデモクラシーである。

 しかし、これも統治の場合と同じく、自治が自治のための自治であって、統治と関係なく一方的に行過ぎると堕落放縦は避けられなくなる。

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  1. 2012/11/11(日) 01:11:11|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(二 近代国家の欠陥)【続】

 自治は自治のために却って統治を支え維持するものでなければ成り立たないし、統治の場合も同様統治のために自治を支え抱かねばならぬものである。

 統治のために自治と結びつき、また自治のために統治権力を尊重しなければならぬものである。

 統治は統一と権力作用を現わし、自治は創造と秩序を意味している。

 統治と自治は、統一のために創造し、また創造を豊富ならしめるために、統治権力の統一作用にみずから進んで従うのである。

 自治の作用は人間生活にとって不可欠の創造的動力であり、統治の作用はそれを保護してゆく総合調和の能力である。

 人間生活は創造のため統一を求め、統一のために創造をしてゆくものであって、決して妥協や迎合をすべきものではない。

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  1. 2012/11/12(月) 09:29:04|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(二 近代国家の欠陥)【続】

 統治と自治を結びつけて一本化し、その分を完全に追求し発揮させ、いささかも弛緩したり相侵したりさせぬ作用が、中心となるべき基準としての指導理念である。

 指導原理は各国がもつ独自性、固有性としての歴史伝統の中に流れる生命であって、日本においては日本思想であり、その表現としての宇宙理法神道である。

 日本における天皇は制度上の単なる国王や皇帝ではなく、精神を掌る神的統一制の天皇であり、固有性・独自性でもある。

 従って日本からこれを除外するということは、キリスト教国か聖書を奪うことであって、国家・民族共同体の精神を否定することであり瓦解させることである。

 天皇の存在価値は、統治権力の作用と自治的秩序の作用を定める機能であって、何時如何なる場合においても民族生存の基礎条件として存在しておかねばならぬものである。

 三権分立もよし、立法中心でもよし、行政中心でもかまわない。

 しかし、現実においては少なくとも大衆を組織化し、混乱不統一の社会を秩序づけようとするならば、形式的・外面的にアメリカを模倣し、また、ソ連や中共の形態を模倣するよりも、まず指導力となる根本理念を打ち立て、行政に重点をおき、権力をこれに集中し、一切の障碍を打破してゆくことが先決である。

 そのために統治と自治の分を明らかにし、指導理念を確立せねばならぬ必要がおこってくる。

 統治には質的に人を得、自治に量的全体に徹底する制度をつくり、さらに質量を高め維持し支えてゆく指導理念としての基礎が、明確に打ち立てられなければならない。

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  1. 2012/11/13(火) 09:54:11|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(二 近代国家の欠陥)【続】

 無組織の大衆を組織化してデモクラシーに意義あらしめ完成に導くためには、大衆を植物としてこれに肥を注ぎ土地を肥し養う如く指導・訓練・教化し、これを編成して一切の存在を生成化育する基盤たらしめると共に、そこに深く根を張りながらも、指導原理に従っていささかも動揺せざる統治力を打ち立てなければならない。

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  1. 2012/11/14(水) 10:28:41|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(二 近代国家の欠陥)【続】

 大体人間というものは、何人と雖も多少動物的本能と本性をもっているものである。

 大小強弱の差はあれ、少なからず怠惰で放縦で我儘自堕落な要素をもっている。

 動物や動物に近い者ほどその傾向が強く、そしてこの種の人間に限って干渉や圧迫や規律に弱く且つ忌み嫌い、隙さえあればそれから脱出しようとし、逃亡を企て、己一人の自由を求めようとする。

 これに反し、人間が人間らしくなるに従い、戒律を守り、秩序を尊び、道を立て、敢て困難を選び突進んでゆくものであり、そしてその中に無限の自由と解放を把握するものである。

 人間性の根本規定を誤ると、今日見うけるような性悪的自由解放を真の自由解放であると思い込み、無条件的、無戒律的、無秩序的な放縦自堕落と怠慢を自由であり解放であると信ずるに至る。

 真の自由は、戒律と共に存在し、秩序という保証人を伴って現われてくるものであって、この意味からするならば戦後の民主主義は性悪的自由解放を現わすものであり、動物への転落を示すものであるといえる。

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  1. 2012/11/15(木) 15:52:45|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(三 国家安定勢力集団)

 真のデモクラシーとしての「人民の権力行使」は、民衆を指導訓練して質的向上を計り、これを組織化して一大自治勢力を築き、一切の公権力たる立法府、行政府、司法府を初め官僚や軍部を監視し、越権逸脱して堕落するのを防止するのみでなく、進んで自治組織と能力を反映させ、権力をして正当化させずにはおかぬものにすることにある。

 デモクラシーとは人民が人民組織をつくり、強力な自治的体制を整えることであり、組織された人民の権力を正しく行使することである。

 専制政治や独裁政治がおこるのも、官僚や軍閥が独善主義に陥るのも、また、汚職収賄を初め、横暴や権力を濫用するのも、みな審判すべき自治的民衆組織が個々ばらばらに分散し、組織力になっていなかったからであり、人民の権力が組織的に行使されていなかったからである。

 官僚、軍閥やその側近が人間悪をなすのは彼らに国家権力や組織があるに対し、国民には国民組織がないからであり監督が不十分だからである。

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  1. 2012/11/16(金) 14:12:20|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(三 国家安定勢力集団)【続】

 民衆を指導訓練し組織化するには統治に人を得、行政に権力を集中せねばならず、指導原理が常に厳然として位し、輝いておらねばならない。

 指導原理の確立と躍動は統治と自治をしてその分を遂げさせると共に、天皇および日本の独自性が時と処を得て大いに発展し、自らその分を遂行することを意味するものである。

 従って日本においては指導原理と同一名義人である天皇が、時間空間を超越してまず自己の本文を打ち立て、率先垂範し民を率いて立たねばならぬものである。



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  1. 2012/11/17(土) 22:20:48|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(三 国家安定勢力集団)【続】

 最後に、西欧デモクラシーの特質と日本の特質を比較し、その違いを明らかにしておく。

 西欧のデモクラシーは契約にその基盤を求め、契約を信条としているに反し、日本は権威においている。

 日本は権威を、人倫の常径としての生命作用たる倫理に求めている。

 日本倫理とは、宇宙生命(理法)作用の人間的行為化として受け取るものであって、規範の倫理をいうのではなく、それを包んで表現される生存法則的生命作用をいう。



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  1. 2012/11/18(日) 11:09:02|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(三 国家安定勢力集団)【続】

 契約の思想は人よりも法を重んずるのみでなく、神と人、人と人、人と物を屢々混同させてきた。

 また二元対立や闘争・制服を肯定し、支配に身を委ねる。

 更に法は力に左右され、力の保障を必要とする。

 国内においては法の背後に権力があって法治主義を護るが、国際間における国家と国家との場合はこれを支え保つ力がないため、力関係に屈服させられる。

 力にも自ら限度があって武力といい、権力といい、金力と雖も、人類を解決する力とはなり得ない。



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  1. 2012/11/19(月) 11:28:29|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(三 国家安定勢力集団)【続】

 日本的権威として位する倫理即ち生存法則原理こそ、契約を超えた偉大な作用であり、人類生存の基準であると信じる。

 倫理作用の権威が人類を審判処理する基準能力とするならば、国内問題はいうまでもなく、国際間の問題も一切これを中心に審理されることになり、過去・現在・将来までも方向づけられ、力の支配、戦争の禍、侵略征服の弊害は殆んど一掃されることになる。


 デモクラシー、即ち「人民の権力行使」はこれを基準としなければ、完成を期することができぬと思う。



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  1. 2012/11/20(火) 13:04:40|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(三 国家安定勢力集団)【続】

 天の声は民の声であると盂子はいっているが、真のデモクラシーは、民の声が神の心に高まらなければならないものである。

 神の心を表現する人民の権力でなくて、権力を濫用するような人間悪的表現であってはなにもならぬ。

 性善的面の発現は、基準を定めて訓練するよりほかにない。

 訓練教化の精神は契約でなく、権威への随順であると思惟される。

 ここにもやはり、随順、下座、自我、生命もちが決定的要素と統治は自治あっての統治であり、同様自治も統治あっての自治たり得るのであるが、統治は、自治的被治者大衆を無条件に服従隷属させるべきものであるかのように錯覚しており、自治的大衆もこれを是認肯定してきた。

 それにはそれだけの様々な理由があってのことである。

 しかし最大の理由は統治と自治の分を明らかにしなかったところにある。

 過去の歴史は、原始生活を除くと殆んど自治より統治の方を重んじてきているように考えられる。

 それは統治の指導者即ち権力者の善悪が、人間生活の進退を決定し、興亡織りなしてきたからである。

 しかるに近代に入ってその考え方を根本的に変え、統治よりも自治を重要視するに至り、その立場が逆転したために、契約の思想は大きくその所を得ることになったのである。

 近代人は、よく統治と自治、個人と社会、人民と国家という二元を取り出し、この二つの実体化して対立的存在であるかの如く取り扱うのである。

 これが倫理の抽象化の第一歩である。

 両者を対立的にしておいて、いずれが人間生活に重要であるかという風に取り扱うことは、決して正しい在り方ではない。

 観念的に分離対立せしめることはできても、実際においては相手があっての存在であり、それが人間関係の根本構造であるから、これを分離対立させ実体化するのは、所謂イデオロギーの作用であって、事実においては両者が対立するのではなく、個人との対立であるか、個人の自己分裂であるかにほかならない。

 畢竟、対立の現象は自己分裂の現象であって、自己の影におびえた姿であるといえる。

 この自己分裂的不完全な個々人からなる集団が対立相剋を生ずるのである。

 人間的に完成された者は自己統一はもとより、自他を包んで一体化し、すべてを調和的に統一する。



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  1. 2012/11/21(水) 10:16:06|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(三 国家安定勢力集団)【続】

 自己分裂は倫理的崩壊と喪失を意味する。

 従ってすべて人間の存在は倫理に求められ、倫理を基盤とする権威におちつく。

 人間生存における倫理の立場は決定的である。



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  1. 2012/11/22(木) 13:10:51|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(三 国家安定勢力集団)【続】

 現代国家にとって根本的課題は、民主主義と自由主義によりますます混乱し分散化しつつある国民大衆を組織化し統一化するか、また代議制が形式化したことによって統治と自治の分限と作用を如何にして機構的に実現するかにかかっている。

 政治的貧困は統治と自治を混同し、富の分配を基礎とする貧富の対立と懸隔に見られる。



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  1. 2012/11/22(木) 13:29:07|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(三 国家安定勢力集団)【続】

 資本主義は二つの大きな社会的、文化的、歴史的意義をもたらした。

 その一つは権威と伝統の君主を無力化したこと、もう一つは大衆を解放して政治の担い手にしたことの二つである。



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  1. 2012/11/22(木) 13:34:26|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(三 国家安定勢力集団)【続】

 近代西洋文化思想は(1)専制君主国家をつくり(2)立憲国家を成り立て(3)大衆民主国家をつくりあげた。

 議会は国民大衆の基礎の上に存在するという一元的議会専制主義を成り立てた。

 立憲政治は立憲行政司法の分立が、今や国民大衆がこれに代り、大衆専制、議会専制時代に変え、三権分立を阻害し混乱せしめている。

 民主主義政治は混乱の洪水氾濫であるというべきである。

 今後の政治はこの体制を解決せねばならない。


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  1. 2012/11/23(金) 10:52:44|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第六 近代国家体制(三 国家安定勢力集団)【続】

 統治と自治、指導者と国民組織を結合一体化するものは「真中を立て分を明らかにしてむすぶ」神道を奉ずる「国家安定勢力集団」の任務使命行動である。


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  1. 2012/11/23(金) 10:59:52|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第七 現代国家の政治理念(一 民主国家の弱点)

 近代国家は絶対主義専制国家から立憲国会なり、法治中心の民主国家に移り変わった。

 専制政治は明らかに近代精神の「個人の自由の理念および主権の不可分性」に反するものなるが故に、国家的要請の役割を終ると共に放棄されることとなった。

 次いで立憲国家も、代議制をもって、立法権を人民の手に収めておけば、君主の専横を防ぐことができるという信念に基づいて、いわゆる「人が治めないで法が治める」法治主義をとり、法の専制に傾いてゆき、それと同時に資本主義、自由主義、個人主義、合理主義、実証主義の発展と普及とその徹底の結果大変革がもたらされ、大衆が直接政治面に現われ、第三階級の機関たる議会の特権が崩れると共に、大衆が議会の担い手として民主国家を形成することになったのである。


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  1. 2012/11/24(土) 20:01:31|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第七 現代国家の政治理念(一 民主国家の弱点)【続】

 君主の行政権を抑制するために発生した立憲政治としての立法議会は、民主国家の出現によって、君主制の崩壊と共に、既にその存在理由を失った筈であるにも拘らず、議会はそのまま存続し、逆に議会万能ともいうべき現象を呈しているのである。

 民主国家はあくまでも議会中心に議会に向って勢力の集中を行ない、しかもその基盤としての参政権が拡大するに従って、政党が新たな支配者として君臨し、これを支持する階級と階級が激烈なる対立抗争を始め、そのために政治本来の作用は歪み、議会政治の基礎は根本的に動揺してその無力を暴露するに至った。

 これが大衆政治即ち民主国家の特色であり、性格でもあるのである。

 この民主国家―議会政治を動揺せしめつつある根本要因は大体次の3つの点に見出すことができる。

1.統治と自治を混同し、権力の侵害と自治作用の崩壊をきたしたこと。

2.行政能率の低下と弱体化をおこしたこと。

3.政党の対立と階級斗争の激化を惹起したこと。


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  1. 2012/11/26(月) 09:56:10|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第七 現代国家の政治理念(一 民主国家の弱点)【続】

 これらはいずれも資本主義、民主主義の発展と結びついておこってきたものであり、君主の行政権が崩れ、議会中心、即ち、立法専制として現われてきたものである。

 しかるに大衆政治を基盤とする民主国家は、議会を国家最高の機関として、議会中心に政治を行なおうとする傾向を強くもつのである。

 これが政治を弱体化し弛緩頽発せしめる要因のすべてであるといえる。

 政治の無力化は実にこの立法議会が行政を無視してその地位につき、采配を振ったところにある。

 近代主義の進展に伴って解放された民衆は、君主を廃すると共に、君主のもっていた行政権をも君主と混同してこれを退け、自己の立場である立法議会を全能として、これに代え支配せんとした。

 三権の混淆、政治の混合がここに発したのである。


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  1. 2012/11/27(火) 09:11:26|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第七 現代国家の政治理念(一 民主国家の弱点)【続】

 民主国家、大衆政治の弱点は大体以上の通り行政と立法の混同に見られるが、これを3つに分けて説明することにする。


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  1. 2012/11/27(火) 11:08:06|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著

第七 現代国家の政治理念(一 民主国家の弱点:一 統治と自治の混同 弱点)

 権力の侵害による弱体化と自治力の堕落をきたしたことである。


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  1. 2012/11/28(水) 16:58:44|
  2. 遺言状(救國法典) 戸松慶議著
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