姿を下界からくらますためか、それとも目標とする地域めがけて攻撃しているのか、遠目には定かでない。敵機は、あるときは数機、あるときは二、三機又ある時は単数で、彗星のごとく赤い空を背景にして現れ、ぐっと低空にすべり下りたかと思うと、再び反対方向に上昇していく。低空に下りたとき焼夷弾の雨をふらせていくのであろう。暫くすると、虹の空に、さらにオレンジ色の焔がぱっと重なり映える。そこへ又数機の来襲だ。左右から探照燈の帯が中空に走り、敵機を捉えようとする。一機が二つの光の帯の十字の中心に捉えられ、もがいている。高射砲の音が遠雷のごとく続けさまに響きわたる。どうやら命中したようだ。敵機は低くすべり下りていった。時々日本の戦闘機が舞い出て勇敢に敵機に絡みついていく。撃ったのか撃たれたのかも分からぬ中に、敵も味方も、空の一端に姿を没してしまう。
(43 43' 23)
にほんブログ村
FC2 Blog Ranking
テーマ:このままで、いいのか日本 - ジャンル:政治・経済
- 2019/11/16(土) 16:55:50|
- 永遠の道 戸松登志子著
-
-