あの赤い空の下に、無数の人たちが焔に包まれ、煙にまかれ、生きながらにして焼け、窒息し或いは踏み殺されているに違いないと想像された。長時間、しかも広範囲に亘る攻撃である上にこの烈風である。逃げても逃げても、火、火、火の渦に突き当たり、無数の人々が死の苦痛と生への執着にもがき、阿鼻叫喚の生地獄を呈しているに違いない。
「こりゃ、震災のときよりも酷いや」
兄は腕組したまま、うーんと唸り続けている。二時間のあいだ、わたくし達は息をつめて南の空を見つめつゞけていたのであった。
(43 43' 23)
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テーマ:このままで、いいのか日本 - ジャンル:政治・経済
- 2019/11/18(月) 08:28:23|
- 永遠の道 戸松登志子著
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