「くそっ、戸松の野郎、切ってしまったな。とっちめてくれる」
薄く禿上った頭に血が上り、肩をいからせ、今にも喚き出しそうな気配になった。
ずっと後で聞いた話によれば、宮崎慎介(滔天の息)氏がここに居を構え、中国の留学生に二階を解放したとき、中国革命の志士であった松本氏が、記念のため数本の桐の苗木を持ってきて、植えておいたものだということであった。
「まあまあ、松本さん、お待ちなさい」
綾乃女史は、爺さんの背広の裾をひっぱって制した。
(43 43' 23)
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テーマ:このままで、いいのか日本 - ジャンル:政治・経済
- 2022/11/27(日) 20:37:23|
- 永遠の道 戸松登志子著
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