春先に野草の若芽を摘んだ庭の端々には、細身の剣のように尖った雑草の葉が、互いにおし合うようにやたらと生い茂った。
柿や桐や李の木は、太陽の直射から古い家屋を守ろうとするかのように、両手いっぱいに広げ、濃緑に染まった無数の葉を大空に敷きかさね、縁先からなだらかにすべる庭の傾斜に、涼しい蔭をおとしていた。
(43 43' 23)
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テーマ:このままで、いいのか日本 - ジャンル:政治・経済
- 2023/01/28(土) 15:37:46|
- 永遠の道 戸松登志子著
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